日本の野菜の中でも一番栽培されている作物が大根です。
その起源は、原産地である地中海沿岸から中国南部を経由して、比較的大柄のダイコンが弥生時代に渡来したとされています。
まだ文字が無い時代に入って来たダイコンは、大和言葉で「オオネ」と呼ばれて日本に土着しました。
その後、平安時代の「和名抄」(922~930年)の中で、オオネを「大根」の字に当てたのが「ダイコン」の名の由来とされています。
その後日本で独自に進化した、日本を代表する野菜となり、欧米の種苗会社のカタログでも「Daikon」と表記されるようになりました。
また大根が普及していく要因に、江戸時代から引き継がれる伝統食たくあんの貢献がありました。
ぬか漬けされた大根は、「たくあん」と名を変え、日本食文化を支える食材として今日に至っています。

たくあんは、原料となる大根の脱水方法により、大きく干したくあんと塩押したくあんに区分されます。

干したくあん 大根を収穫後に天日干しにし、寒風にさらして水分を抜いた干大根にします。干したくあんはこの干し大根をぬか漬にしたたくあんで、強い歯ごたえが大きな特徴です。昔のたくあんはみなこの干したくあんでした。
塩押したくあん 大根を干さずにそのまま塩漬けにして脱水した大根(塩押し大根:塩で水分を押し出すの意)を漬けたたくあんで、干したくあんよりもソフトな歯ごたえとなります。現在のたくあん漬は、多くがこの製法で作られています。

たくあんは、黄色っぽい色をしているというのが一般的なイメージです。
大根を塩漬にすると、時間がたつにつれ大根の辛味成分が黄色い色素に変化するので自然と黄色くなります。
*写真1
塩押し2週間目の大根、辛味成分が多い、大根の先の方がかすかに黄色みを 帯びてきています。
*写真2
冷蔵熟成後、塩抜き中の大根です。 辛味成分が、黄色の色素に変化しているのがよくわかります。 霧島農産のたくあんの黄色は自然の色です。